令和5年11月28日に大阪市で発生した有料老人ホームの火災では、負傷者9名の被害が発生しています。現時点で火災原因は調査中ですが、多数の負傷者が発生した要因としては、避難経路となる通路や階段室に煙が流入し、入所者が煙を吸う等したことによるものと考えられます。有料老人ホーム等は、自力避難が困難な者を含む高齢者等が利用する施設であることから、日頃からの火災予防とともに、火災時の避難誘導が極めて重要となります。
ついては、類似の火災発生を防止するため、下記の事項に留意の上、防火対策の更なる徹底を図られますようお願いします。
1 出火防止対策の徹底
有料老人ホーム等の各居室においても、「住宅防火いのちを守る10のポイント」を活用する等して対策を徹底すること。また、近年、電気火災が増加していることから、電気コンセントはたこ足配線にしないこと。劣化した電気コードを使用しないこと。リチウムイオン電池は、適切に取り扱うこと。
2 避難上必要な施設(廊下、階段、避難口等)及び防火戸の適切な維持管理
避難上重要な廊下、階段、避難口等には、避難の支障になる物件を放置しないこと。また、防火戸の機能不良、閉鎖の支障になる物件を置かないこと。
3初動対応の確保
火災時において職員等による初期消火、避難誘導、通報等が確実に行われる体制を確保すること。特に、夜間等に火災が発生した場合には、少数の職員等により自力避難が困難な者を含む高齢者等の避難誘導等を行う必要があることから、当該状況を想定した自衛消防訓練について、積極的に実施し、万全を期すこと。
また、延焼防止や煙の拡散防止を図る上で、火災が発生した室や階段室の防火戸等を閉鎖しておくことが極めて重要であり、避難等する際にはこれを徹底すること。
※総務省消防庁が公開しているマニュアルについて
総務省消防庁では、「自力避難が困難な方が利用する施設」や「直通階段が1つの建築物」など、建物の利用形態や特徴等に特筆した以下のマニュアルを公開しています。